会津絵ろうそくの歴史
会津におけるのろうそくの歴史は古く、今から500年ほど前、宝徳年間、時の領主芦名盛信が漆の植樹を奨励したことに始まったといわれています。漆樹の樹液は漆塗料となり、又その実からは蝋(ろう)が採取されたため、以来漆器とろうそくは会津の伝統的、かつ誇るべき産業となりました。
天正年間(1590年)に、この地に移ってきた蒲生氏郷が、近江より優れた技術者を呼び寄せ、品質は更に向上しました。その後、江戸時代には藩主である松平氏が財源として活用した為、 ろうそくは日本中に行き渡り会津ろうそくの品質の良さは広く世間に知られることになりました。又売り上げ向上をはかるためにろうそくに絵を付けた絵ろうそくが考案され、、当時の大名や神社仏閣、上流社会で愛用されました。特に婚礼の際には一対の絵ろうそくがともされ、これが「華燭の典」の語源になったとも言われています。また、花のない会津の冬には仏壇に供える花の代わりに絵ろうそくを飾るようになったといわれています。
製造工程
1芯巻
まき串に和紙を巻き付け、その上から灯芯をらせん状に巻き付け芯を作る。
2芯固め
100本くらいにまとめた芯を溶かしたろうにつけ固める。
3串さし
芯が生乾きのうちにかけ串に一本一本指す。
4先とぎ
芯の先を削り尖らせる。
5サイカチつけ
サイカチの液(現在は石鹸)を芯に付ける。
6頭つくり
ろうそくの頭の部分を太く作るため、何回かろうにつけ、形を作っていく。
(山形屋独特の形です。)
7かけおろし
かけ舟に液状のろうを満たし、芯を7~8本ずつ転がしながら浸し、すぐ引き上げる。すると芯の周りに薄いろうの膜が出来る。その薄い皮膜を重ねる作業を何回も繰り返して太くしていく。
8けずり
ろうカンナで表面凸凹を削り、滑らかにする。
9みがき
ろうそくの表面を滑らかにする。
10呉汁塗
絵の具が付くようにろうそくの表面に呉汁を塗る。
11絵付け
ろうそくの表面に絵の具で絵を描く。
12上掛け
絵付けしたろうそくを液状のろうの中に入れ表面をコーティングする。
13口切り
頭に部分のろうを切り落とし、芯を出す。
14シリ切り
ろうそくの裾を平らに切り落とし、長さをそろえる。